夕焼けとさくらんぼと味噌ラーメンと

12月の読書感想文「ゴールデンスランバー」 逃げるということとゆるく細く長く続けるということ

もんだいちゃん(@mondai_g)です。

12月も既に最終週!いやーん何か焦る!今日はしばらくご無沙汰してた読書感想文を書くぞ〜(ネタバレほぼなし)。後半には書いてなかった間のことも含め、今年の読書まとめをちょろりと。

 

 

12月の読書感想文「ゴールデンスランバー」

ゴールデンスランバー (新潮文庫)

ゴールデンスランバー (新潮文庫)

 

伊坂さんの作品はタイトルこそたくさん知っていたものの、読んだのは実に15年ぶりぐらい?中学生の頃、重力ピエロを読んだりアヒルと鴨のコインロッカーを観た記憶はあるのですが、いかんせん内容が全く思い出せず。面白いし大人気というのは知っていたものの、元々ミステリー小説にあまり馴染みのない私はそれ以降作品に触れたことがありませんでした。実は友人に勧められたガソリン生活を読もうと思っていたのですが、あいにく品切れでその隣にあったこちらを。映画も有名だよね、キャスト見てみたけど良い感じっぽいので近々見たい所存。

回収するために描かれた伏線

読後の感想を一言で表すと「エンターテイメント感すごい」。まるで当たりのテレビドラマを見ているかのような、ドキドキとスピード感、そして読みやすさ。総ページ数は結構あるのですが、続きが気になりざくざく読み進めてしまいました。

ただ、前評判として伏線回収がすごいみたいなことを聞きすぎてたせいもあってか、伏線の不自然さがちょっと気にはなった。ここで唐突にこんなセリフ?とかここで唐突に誰?とかが結構あり、これが伏線なんだろうな…と読みながら思わずにはいられず、物語に集中できなかったところも。しかも結局伏線ではなかった単なる一般枠の登場人物もいたりして(まぁ話に新たな面を加えるってところでは意味があったんだと思うけど)、え?で結局あの人なんなん?と大団円好きの私はもやりとした面も。

「逃げる」ということ

主人公のように、国家や政府などという巨大で勝てる見込みのない敵からターゲッティングされたら、果たして私を信じて守ってくれる人はいるかなぁと考えずにはいられなかったんだけど…うん、私の周りの人は結構どうにかしてくれるんじゃないかと思う(自信過剰)。
だからこそ逆に、大切な人のことは私も最後まで信じたいし、相手がどんな巨大な敵でも、自分にできることを最後までしつこく企んでいたいな。結構一貫して主人公は死亡フラグ立ちまくりなんだけど、そんな主人公をひたむきに信じて行動する登場人物たちの真っ直ぐさに救われます。特にお父さん、本当、愛だなぁ。

あとは、「逃げろ」という言葉について。「逃げる」という言葉にはどうしても消極的なニュアンスがあって、「立ち向かう」「戦う」といった言葉に比べるとどうも胸を張って言えない感じがするけれども、実は生きていくうえで一番大事な姿勢かもしれないと思いました。絶体絶命の主人公に対して様々な心ある人たちが「逃げろ」と言うのですが、すごくいい。どうしたって勝てない強く大きな敵には、かっこつけることなんか捨てて、泥まみれでも、ずるくても、逃げて逃げて生き続けるしかない。死んだらおしまいなんだから。
どうしても根が真面目な私は普段から、嫌なことや怖いことを避けようとするとき「これは逃げでは…」と思ってしまいがちなんだけど、「逃げる」って全く悪いことじゃないからね。物語の世界では、「逃げずに立ち向かった」ことばかりが称賛されるけど、「逃げる」ことを絶対正義として描いているのはこの作品の好きなところです。

なんてったって読みやすいし、もう一冊は読みたいなぁ伊坂さん。次こそガソリン生活かな!

 

今年一年の読書、なんとか続けられたのは完璧にならなかったおかげ

年初めに、毎月1冊本を読む!と友人の前で高らかに宣言したわたくしでしたが、結果としてパーフェクト達成とはいかなかったもののぼちぼち達成できて我ながら意外すぎて驚いている(目標立てるのは大好きだけどそれで満足して終わるタイプ)。感想文は時間がなく書けませんでしたが、他にも恩田陸さんの「まひるの月を追いかけて」や浅田次郎さんの「椿姫」、そして哲学や宗教の新書系などもちょいちょい読んだりしたのでトータル12冊は読んだはず!すっごーい!!!

続けられた要因としては、

・電車通勤になり必然的に読書時間が増えた

・夫婦で本の感想を共有したりして家庭を読書しやすい雰囲気にした

・友人や家族におすすめの本を教えてもらい、次会った時に感想を言うことをこっそり目標にした

・毎月1冊とかコンスタントに完璧にできなくても、ゆるく続けた

特に最後の、「ゆるく続ける」というのは自分が今までずっとできなかったことなのでとても嬉しい!私は謎に完璧主義めなところがあるので、目標や計画を立ててもその通りに一度でもいかないと「あー何かもういいや」って投げ出してしまうことがよくあったのですが、今年はそれを脱することを目標に、「ゆるく細く長く続ける」ことを大事にしてきまして。読書も、フル就労を始めた頃時間がうまく捻出できなくて(ニート時代は一日朝から晩まで使って一冊読むとかしてた贅沢か)、それまでなんとかやっていたコンスタント読書生活に穴が開いてしまった時期があったのですが、そこで投げ出さず!また読み出すことに成功したことで!何とかここまで続けることができました。(何かすごい耐えたみたいな書き方になっちゃったけど読書自体は好きなんだよ、ただ1ページ目を読み出すのが面倒でなかなかね…というおはなし)

趣味も、さらに言えば人間関係も(この話今度改めて書きたい)、ゆるく細く長く続けることが大事だし、これからもそうできるようにしたいなぁと実感した今年でありました。

…って何か読書活動今年で終わるフラグがすごい書き方だけど、これで満足せず来年も引き続きゆるく読書できるようにするんだからね!ほんとだもん!終わらないから!多分!

 

それではまた~

f:id:mondai-girl:20170201164910j:plain(もんだいちゃん)

 

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