夕焼けとさくらんぼと味噌ラーメンと

4月の読書感想文「幸福な食卓」「春、戻る」

もんだいちゃん(@mondai_g)です。

今月は、なんと2冊も読んだよ!わーい!我ながらすっごーい!

4月の読書感想文「幸福な食卓」「春、戻る」

有名ですが読んだことのなかった瀬尾まいこさんの作品2冊。
瀬尾まいこさんと言えば、元々中学校の国語の先生をやられていた方で、柔らかく優しい表現が魅力とのこと。

私は一番好きな作家さんと言えるぐらい浅田次郎さんの書く小説が大好きなのですが、浅田さんの作品は読み尽してしまったし、何か自分の好みに合う作家さんを新たに見つけたいなーと思っていたところ「浅田次郎作品好きにおすすめの作家」ということでヤフー知恵袋氏よりご紹介がありまして、今回読むことにしました。

 

 幸福な食卓
幸福な食卓 (講談社文庫)

幸福な食卓 (講談社文庫)

 

 一見穏やかに見えながらも実はそれぞれが問題を抱えている中原一家が、もがき、支え合いながら、日々を過ごしていく様子を優しい語り口で書いた作品。主人公は一家の2人兄妹の妹です。軽妙に進んでいくストーリーからは思いもよらないほど衝撃的な事件も起きるのですが、不気味にも思えるその軽やかな語り口が、一方でこの作品の救いのようにも感じました。
大切な人を失い絶望する主人公に「どんなにつらいことがあっても、もう終わりだ、と思っても、周りにはいつでも必ず支えてくれる家族がいる。だからもっと家族を頼りなよ、そして大事にしなよ」という兄の彼女が言った言葉は、つらいことに支配されてふさぎこみ、周囲の助けの手すら受け付けなくなってしまうときにこそ思い出したいな。
また、主人公が嫌いな給食のサバをいつも代わりに食べてくれていた男の子が、実はサバが嫌いだったことを打ち明けた時に言った「気付かないところで中原っていろいろ守られてるってこと」という言葉、なんだかすごくじーんときました。そうなんだよね、自分が気付ける優しさってすごく限定的なもので、実はその陰にたくさんの見えない優しさがあるんだよね。当たり前だけど、日々いろんな人に支えられて生きてるんだなぁということ、改めて噛みしめました。

調べてみたら映画も、石田ゆり子さんや平岡祐太くんなど私の好きな演者さんたちがたくさん出てるみたいなので近々見たいなー。

春、戻る
春、戻る

春、戻る

 

文庫もあるみたいだけど私は単行本の表紙デザインが好き。 

結婚を控えた主人公の前にある日突然現れた「兄」と名乗る年下の青年との日々を通じて、自分の生き方を振り返り、見つめ直していく話。自分の人生の中での「挫折」とか「逃げ」の記憶って、厳重に蓋をしてしまっておくと逆に自分の中で大きくなってしまい、気付いた時にはもう取り返し付かないぐらいこじれて怖くて開けられなくなってる…ってことあると思うんですが、実際開けてみたらそうでもなかったりするんですよね。自分の想像がつらさを肥大化させてるだけで。そしてつらいことの中にも素敵な思い出や出来事ってたくさんあって、全体がつらかったからってそこにも目をつむって「全部がだめだった」って決めつけてしまうのはもったいないことだなぁ、と思いました。
あと、ご飯のシーンが美味しそうで印象的。読み終わった次の日の夕食に、早速きんぴら作ったよ。

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お兄ちゃんという存在そのものに憧れている私としては、瀬尾さんの書くお兄ちゃん像がどちらも完璧で良きでした。特に「春、戻る」の方はイケメン爽やかしかも年下のお兄ちゃんとか最高かよ…ほしい…!とまぁ邪念が発生したよね。そういう意味でも楽しめました。

浅田さんファンとしてはリアルの中にあるファンタジーっていうのを期待していたところもあったのですが、どちらもリアルに沿った内容だったので、日常系の小説が好きないがいとちゃんにおすすめしたいかも!文章はとても軽やかで優しく、あたたかい気持ちになれる作品でした。

それではまた~

f:id:mondai-girl:20170201164910j:plain(もんだいちゃん)

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