夕焼けとさくらんぼと味噌ラーメンと

推しが卒業するということ

秋も深まる週末の、2018年10月13日夜、友人からLINEが届いた。

 

「ねむきゅんが卒業するって!」

 

最初に思ったのは、そっかついにか、決めたんだなぁ、ということ。感慨深いって言葉がしっくりくるかな。

教えてくれた友人に返事をして、ぼんやりしながら買い物をして、家に帰って、来週のお弁当のおかずを準備していたら、なんだか猛烈に胸がぎゅうっとなった。

 

はー!なんだこれ!さみしいな!!!!

 

ねむきゅんと、というかでんぱ組.incというアイドルに出逢ったのは約5年前。

前述のLINEをくれた友人と遊びに行った帰り道、「このグループ最近はまってるんだ!もんだいちゃんも好きそうだから是非聴いてみて!」と勧められてそのまま彼女の車の中でWORLD WIDE DEMPAを聴いた。その頃の私はあまりアイドルグループに興味が無くって、でんぱ組の名前すら初耳だった。初めて聴いたでんぱ組の曲はとてもかわいくてノリが良くて特にテンポの速さが好みですぐに好きになった。アルバムの歌詞カードを見て、失礼だけど今まで私がアイドルとしてイメージしていた「ザ・美少女」って感じの子がいなくてびっくりした。みんなかわいいんだけど、何か、親しみ系?友達って感じ?この中でしいて言えば誰がいいかなぁ~ん~~~そうだな、癒し系っぽくてたれ目の子が好きだし、この子の声かわいいな、私緑好きだし、というか緑じゃなくてミントグリーンってこだわってる気概が何か良きだしwとりあえずこの子を推すわ!って軽いトーンで決めた推し、それがねむきゅんだった。

 

それからYouTubeでMVをいろいろ見て、なんだか癖になるかわいさにどんどんはまって、でんでんぱっしょんのMVで好きを確信した。あのMVは本当全てのビジュアルが大好きで。ソロで映るところのねむきゅんがかわいすぎて何度見たことか。

 

そしてついにライブに行くまでになった。友人はめでたく(?)りさちー推しになり、それぞれ推しの愛まどんなさんイラストのTシャツとネットで買った安いカラーセーラーのスカートを履いて会場前でたくさん写真を撮った。その頃にはもう、私の髪は前下がりボブになっていた。

 

気付けばでんぱ組のメンバーみんなのことが大好きで、でもやっぱりねむ寄りの箱推しっていうスタンスは譲れないからライブのドレスコードはいつでもミントグリーン、サイリウムは基本緑点灯で、ねむきゅんのソロパートは全力でケチャを捧げた。

 

その後も何度もライブに行ったり、カラオケででんぱ曲縛りでフリータイムして喉を枯らしたり、どこで披露するでもないのにくちづけキボンヌの振りを練習したり、行けなかったライブのDVDを夜通し見て涙したり、ヴィレヴァンでアクキーや缶バッジを買ってほくほくしたり、Twitterを見て元気付けられたり勝手に心配したり。

 

最初にも書いたけれど、ねむきゅんを好きになったのは最初は雰囲気と顔と声だった。それがいつからだろう、発する言葉やそのスタンス、揺るがない彼女なりの美学、そして深い愛情。彼女が見せてくれる、夢眠ねむの「中身」が好きになった。

 

Twitterやインタビューを通して伝えてくれる愛に、胸がじんわりあたたかくなった。好きなものを自信を持って好きと言える姿に、私も言っていいんだ、むしろ好きなら伝えるべきなんだと勇気付けられた。ライブの自己紹介で「私たちと、ここにいるみんなででんぱ組.incでーす!」って言ってくれるのが最高に粋だった。背景にぎっしり文字が書かれた生誕のネットプリントはどこか懐かしく、友達から手紙をもらったみたいで嬉しかった。好きなアーティストが同じと知ったときは、ねむきゅん分かってるぅー!とがっしり握手したい気持ちになった。彼女をもっと知りたいと思って買ったまろ狂は、時に私には難しくてむむむとなりながら時間をかけて読んだ。

 

私にとって思い出に残ってるライブが二つある。一つは、長野まで遠征して見たスチャダラパーさんとの対バン。サマージャム'95を演ってくれたとき、ねむきゅんも裏で聴いてるかなぁ…最高だよね…と勝手に想像して嬉しくなった。その後のでんぱ組のライブで、その日はステージに近い席だったこともあってか、「ユメ射す明日へ」のときにたくさんレスをくれた…気がして。大サビで泣いていた私に優しい笑顔で頷くような仕草を見せてくれて、こういうのって思い込みかもしれないのは分かってるけど、けど。確かに愛を送ってくれたんじゃないかって、少しでも鮮明に見るために眼鏡かけてて涙でぐしょぐしょで前の席の男の人の間から背伸びして見ていた私に、伝えてくれたんじゃないかって。ヲタクの思い込み乙~って思われるだけだから心にしまっていたけど、一瞬だけど想いが繋がった気がしたんだ。違ったらごめんだけど、でも、私は嬉しかった。

もう一つは、まさかの地元でのライブ。こんなところに!でんぱが!これは絶対行くしかない!と友人と勇んで行った。もちろん全身ミントグリーン。その頃私は仕事を辞めることを決めたばっかりで、「ファンファーレは僕らのために」が不安にさいなまれていた私の背中を押してくれた。アンコールでこの曲を演ってくれて、2階席までちゃんと見てくれたねむきゅんの優しさにじーんとした。でんぱ組に出逢えて、ねむきゅんに出逢えてよかったなって思った。

 

ねむきゅんが卒業してもでんぱ組を応援していくつもりだし、そうしていたら、他のメンバー寄りの箱推しになる日がいつか来るかもしれない。でも、私にとってのでんぱ組はやっぱりねむきゅんありきなんだよね。どう考えても、ねむきゅんのいるでんぱ組.incは間違いなく最高だ。

夢眠ねむという作品の終わりはこれ以上ないぐらい美しくて、そんな素敵なものを見せてくれてありがとうって思う。その一方、夢眠ねむという人間を好きだったから。もう見られなくなるなんて、会えなくなるなんて、やっぱりさみしいね。

 

雨の中、ひとりでリリイベに行ったことを思い出す。チケットが売り切れてしまわないか並びながら気が気でなかったし、アイドルとチェキ撮るなんて初めてでどうしていいか分からず緊張して時間までひたすらそわそわうろうろした。爪に何も塗っていないことに気が付いて、急遽買ったミントグリーン色のマニキュアを高層ビル立ち並ぶ街の駐車場の隅で塗った。会場に入ってからも、自分の番が来るまで緊張しまくって、何言おう、でもこの感謝と応援している気持ちをどうにか伝えねばと思った。ぐるぐるしていたら順番が来てしまって、そこからはもうあまり覚えていないんだよね。覚えているのは、ねむきゅん白い!かわいい!細い!ってことと、ありがとう~みたいなことを言ってくれた…ような…?撮り終わってからも夢みたいで、もらったチェキ見てあぁ本当に会えたんだよねこれ?と思って、友人に写真を送ってすごい!と言ってもらえてやっと夢じゃないかも…となったという。どんだけ…。

ちょうど自分のニート期間と重なって行くことができた最初で最後の接触イベ。推しには会えるときに会うべきって、本当だね。寒かったしひとりだったし、行くかとても迷ったけど、勇気を出して行ってよかった。

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 秋葉原では卒業はおめでとうだってねむきゅんが言うからさ、最後の日は笑っておめでとうを言えるように、胸を張って送り出せるように、私もその日まで頑張ろう。同じ時代に同じ次元に生きていれば、また会えるよね。ねむきゅんと同じ時代に生まれて、出逢えてよかった。ちょっと早いけど、お礼を言いたい。推させてくれてありがとう。

 

…って感極まりすぎてもう卒業したみたいに書いちゃったけど、まだまだ卒業の日まで時間あるからね!何か気が早すぎたなごめん!まずは武道館チケット獲得せねば!!!

 

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